録された曲です。
ジョン・ウェットンのヴォーカル!。そして、カール・パーマーの強烈なドラム・ソロ!!
1曲目の『Heat Of The Moment』から最終曲の『Here Comes The Feeling』まで、全9曲全て聴き応えのある曲が揃った名盤だと思います。
一般的には、シングルカットされ、ビルボードでも4位までランクインするヒット曲となった1曲目の『Heat Of The Moment』が有名だと思います。
1枚目のアルバムが出た当時は、バリバリのプログレのプレーヤーが集まって、プログレとは全く異なる耳ざわりの良いROCKアルバムを出した、って言うのですごく話題にもなり、確か2枚目のアルバム発売に合わせて初来日を果たしてます。
私も大阪公演(大阪城ホール)のチケットを購入したんですが、来日直前になって突然ジョン・ウェットンが脱退し、代りにグレッグ・レイクが加入すると言う思いもしない事態が発生。
予定通り公演には行きましたが、やっぱりボーカルが代わると影響は大きく、全然期待外れのコンサートになってしまったのを覚えてます。
しかし、今回このブログを書いてる途中に Googleで検索すると、何ともうすぐ来日するみたいです。
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しかも、オリジナルメンバーからギターのスティーブ・ハウが抜けただけで、ヴォーカルは勿論ジョン・ウェットン! 何か久々にコンサートに行きたくなってしまいました。
ASIAの話題はこれ位にして、このアルバムがヒットした当時、私は大学の3回生だったと思うんですが、この頃はバイクブームが到来した頃で、HONDAとYAMAHAの間で『HY戦争』が繰り広げられ、鈴鹿の8耐にも15万人近い観客が押し寄せると共に、空前のバイクブームが到来しようとしていた頃でした。
何よりこのブームは女性ライダーが一気に増えた時期でもありました。で、この頃バイト先で憧れてた年上の女性がバイクの免許を取って、ツーリングに行くとか言ってるのを聴いた私は、ただただ一緒にその女性と一緒にツーリングに行きたい気持ちだけでバイクの免許を取る決意をしたもんでした。
まぁそんな事はどうでも良いんですが、この頃バイクに興味を持つ人間がみんな読んでいた?のが、大藪春彦の『汚れた英雄』でした。角川文庫から出ていた小説を1巻から4巻までのかなりの長編ですが、兎に角人気がありました。
私も丁度バイトが夏休みになった期間中に昼夜を問わずに夢中で読みました。食べるときと寝るとき以外はずっと読んでいた記憶がありますが、この時に部屋の中で掛けていたのが、このアルバムだったんですが、この小説と本当に合うんです。
レコードプレーヤーをリピートモードにして、ひたすら同じLPを繰り返し聴きながら小説を読みましたが、曲と小説の読むリズムが見事に自分の中で一致したのをもの凄く憶えてます。おかげで本を読むスピードが上がること上がること。
その中でも、小説のラストシーンで北野晶夫がル・マンで事故死するところで『Here Comes The Feeling』が流れたときには本当に北野晶夫のための鎮魂歌が流れているような印象を受け、この2つが自分の中で一体になったような気がします。
そんな訳で、この『Here Comes The Feeling』を聴くと『汚れた英雄』のラストシーンが小説しか読んでいないのに、実際に自分で目撃したかのような光景が瞼に浮かんで来るという自分にとって忘れられない想い出の曲になっています。
それだけに、角川が映画化したのを映画館で観たときには本当に後悔しました。自分の中にあった小説の世界が一気に縮小化されたような気分になったのを覚えています。
世界を舞台にした北野晶夫が日本の、それもまるでローカルレースのような舞台でもがく姿は小説とは全く異なる別世界でした。あそこまでスケール縮小しても映画を撮る必然性ってどこにあったんでしょう?今でも全く理解できない部分です。
今では本屋に行っても大藪春彦の小説はほとんど見かけなくなってしまい、古本でもなかなか手に入らないような状況のようですが、もしも機会があればこの組み合わせをお試しください。