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2014年5月9日金曜日

『Hurricane』 Bob Dylan

数日前に新聞にルービン・カーターさんの訃報記事が掲載されていました。

デンゼル・ワシントンの主演で映画化された『ザ・ハリケーン』(原題: The Hurricane)のモデルになった方です。日本でも袴田事件の再審の判決が出ましたが、カーターさんも冤罪で長期間刑務所の中で暮らすことを余儀なくされた方です。

この曲はカーターさんを支援するためにボブ・ディランが作った曲で、1976年に発売されたアルバム『欲望』の中に収録されています。


スタジオライブの画像が残ってます。



だけど、昔一度だけみたPVとはちょっと違う感じで、私が見たのはもっとレコードに忠実な感じで演奏してました。この曲に限らずライブなんかでオリジナルからかなり離れたアレンジで演奏されると、凄く残念感と言うか、かえって聴かなかったほうが良かったんやないか、と言う気持ちになってしまうんですが、皆さんはどうでしょう?イーグルスの『ホテル・カリフォルニア』がアンプラグドになったのを聴いたときには本当にガッカリしてしまいました。

まぁこれは私の勝手な思い込みなんやろうと思います。

それはさておき、デンゼル・ワシントン主演の『ザ・ハリケーン』で主題歌のように使われてたので、ご存知の方もたくさんおられると思いますが、この曲が収められた『欲望』と言うアルバムはどう言う訳か評価が低いような気がします。

先日も新書でボブ・ディランに関する本を本屋さんで見かけたので、パラパラと読んでみたんですがこのアルバムに関しての解説は、とりあえずディランのアルバムの中では最も売れた部類に入るってことだけ印象に残った感じです。



アルバムの中はA面の1曲目が『Hurricane』で始まります。8分を超える大作ですが、基本的には物語り形式で、事件がどのようにして起こり、なぜハリケーンが犯人にされてしまったのかが順を追って語られます。それら1つ1つのパートは同じメロディーの繰り返しなんですが、プロテストソングにしては非常に聴き心地の良いメロディーなので長さを感じずにずっと聞き入ることができます。

この曲以外にも『モザンビーク(Mozambique)』や『ブラック・ダイアモンド湾 - Black Diamond Bay』とテンポがよくてシングルカットしても良さそうな曲がならんでます。

アップテンポな曲以外でも、『コーヒーもう一杯 - One More Cup of Coffee (Valley Below)』や『サラ - Sara』のように何とも言えない味のある曲がならんでおり、私自身初めて聞いたときはハリケーンだけしか聞けなかったんですが、何度か聴いてるうちに段々と好きになっていくような感じでした。ビルボードで5週間1位をとったのも納得のアルバムです。




なのに、何故かこのアルバムは何となくですが、評価されてないような気がします。やっぱり、プロテスト系のアーティストは余り売れすぎると逆に評価が低くなるもんなんでしょうか?

※ ルービン・"ハリケーン"・カーター は今年2014/4/20に永眠されました。ご冥福をお祈りします。